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アーカイブス No27 雑誌の取材インタビューにて(下)2013.12.21
食養プラスお祈りが大事
こうして「心の宿便」というものが取れてくれば、自分の思いのままにできます。やはり一番大きな問題は、心の宿便をとるということです。今、申しましたように、業想念「貪・瞋・痴」の三毒という「心の宿便」は、すべての人がもっています。それを清めない限りは、食養をやっても、正しく守れないと思います。食養をやっている人でも、心の宿便を取る修行をやっぱりしないとだめだということです。
Q やはり「行」といったものが必要でしょうか?
A そういうことです。それには、やっぱり今言ったようにお祈りですね。食養プラスお祈りでもって心の宿便も取れて、本当に健やかに老いていくことができます。
Q 例えば、どんな人たちに「心の宿便」があるのでしょうか。
A いろいろですが最初に、マイナスホルモンばかり出す人。同じように倦怠感や頭痛、ふらつきの症状がある二人の患者がいたとします。一人は、入院している病室を訪ねると、いつも笑顔で迎え、明るい表情で療養の経過を報告されます。ところがもう一人の方は、苦虫を噛みつぶしたような顔で、笑顔はおろかあいさつさえありません。自分からは頭痛が少し良くなったということを言わず、病状に対するこちらの質問で初めて報告されますが、ふらつきがひどくなったということにばかり気を取られて心に余裕がありません。だから、改善がみられた症状に少しも喜びが感じられないのです。
後者のような人を心配事ばかりしていてプラスホルモンが出てこない 「マイナスホルモンばかり出す人」と呼びます。私たちの病気を治す力はプラスホルモンです。このプラスホルモンをどんどん出せる人はそれだけ病気も早く治るのです。マイナスホルモンばかり出すような人は、たとえ病気が治っても、長い家庭生活の中でいろいろな悩みごとが起ってくると、やはりまたマイナスホルモンばかり出すのです。こういったマイナスホルモンばかり出す人は、自分自身だけではなく、家族全員がその悪い影響を受けてしまうのです。
感謝の言葉がない人も
感謝の言葉がまったく出てこない、家族を道連れにして不幸にする、という人も要注意です。
あるぎっくり腰の患者さんでしたが、治療をして「明日また来て下さいよ」と言っても来院しないままでした。ずいぶん経ってから別の症状でやって来たのです。私は気掛かりだったので「先日の腰痛は?」と聞いたら初めて「もう治った」と言われました。そこで「あなたはなぜそのことを先に報告し、感謝しないのか」と苦言を呈したのでした。実際このような患者さんは珍しくないのですが、対応していて本当にこちらまで滅入ってしまいますよ」(笑)
また、別のリウマチ患者さんは、療養指導で自宅にてすまし汁断食に入りました。家族が食事を始めると、「パンでも食べさせてほしい」とねだり、枕元を通る家族には、膝が痛いとか肩が痛くて寝返りができないなど、自分の辛さや病気のことばかり訴えていました。こんな毎日が続けば家族のみんなもたまりません。
もしこのような人が一人でも家族の中におられたら、それこそ一家そろって不幸になっていってしまうでしょう。ですから、痛い痛いと言うよりも「人様の幸せを祈らせていただく」というふうに心を転換する必要があるのです。ところがやっぱりその人の業(業想念)が深いためにそれができないのです。
貪(とん)・瞋(じん)・痴(ち)という三毒
結局よくいわれる「貪・瞋・痴」ですな。これは仏教の中に説かれている「仏の三毒」です。たいていの人がこの三毒で身を滅ぼすという教えです。
「貪」はその通りむさぼりの心です。むさぼる心、貪欲があれば、どうしても少食にできずに食べ過ぎてしまいます。
「瞋」は怒りの心です。自己中心的な考え方しかできず、他を思いやることがなければ、ちょっとした行き違いがあっただけでもすぐにかっとして、結局は自分の体や健康のことも忘れて暴飲暴食に走りかねません。
最後の「痴」は、愚痴という言葉があるように、愚かさです。くどくど愚痴を重ねても、しまいにはだれも相手をしてくれなくなり、やけ食いをしてでもうっぷんを晴らそうとします。
程度の差こそあれ、「貪・瞋・痴」により多くの人たちが振り回され、悩まされ続けています。たとえ少食を実行しても、ふたたび宿便がたまって病気が悪化してしまいます。それではいつになっても健康は得られないということになり、やはり「宿便は万病の元。その根本原因は心の宿便」なのです。
「神我一体」の境地をつかむ
Q それでは心の宿便はどうやれば取れるのでしょうか。
A 人間は本来、「神の子であり、神の分けみたま」で光り輝く存在あるととらえます。そうした本来の姿を「貪・瞋・痴」の業想念の暗雲が取り巻いているために、私たちは悩み、苦しみます。そこで、世界平和の祈りをささげることにより、その思いが神様の思いと一つになり、「神我一体」の境地が訪れます。その瞬間に、大宇宙の偉大な光ともいえる無限のエネルギーが私たちの中に流れ込み、業想念は清まるのだと思います。
お祈りの方法としてはさまざまなやり方が考えられます。たとえばこれはあくまでも私なりの我流ですが、背腹運動により、脊柱の両側にある交感神経が、一方、腹部の出し入れで副交感神経がそれぞれ活性化され、二つの神経が拮抗して完全な調和状態が生まれます。そうした「体も精神も暗示にかかりやすい状態」の時が日ごろの想いを潜在意識にインプットする絶好のチャンスなのです。世界平和のお祈りが神様の御心に届き、神我一体となって業想念の霧が晴れて三毒が消え去ってしまうというわけです。
背腹運動の最中は、初めに「よくなる、よくなる、よくなる・・・(良くなる、能くなる、善くなる・・・)」と強く念じ、次に「世界は平和に、世界は平和に、世界は平和に・・・」と繰り返し唱えます。最後に世界人類、日本の平和、人々の健康、「そして私たちの業想念が清まりますように」と祈り、最後に「ありがとうございます」で締めくくるのです。こうした実践なども是非皆さんにお勧めしたいわけです。 (了)